伝統の一戦,今年最後のメジャー大会,「全英オープン The Open」が,いよいよ7月17日より4日間のふたをあけます。
今年の会場は,北アイルランドのロイヤルポートラッシュ・ゴルフクラブ。
日本から参戦する,松山英樹ら6選手を中心に,大会の概要・コースの特徴・日本人選手の顔ぶれ・放送予定などを,速報とともにお届けします。


大会の概要
大会の名称 全英オープン The Open
日程 2025年 7月17日(木)~7月20日(日)
開催コース 北アイルランド ロイヤルポートラッシュゴルフ俱楽部
主催者 PGA
賞金総額 1700万ドル 優勝賞金
前回優勝者 ザンダー・シャウフェレ
会場「ロイヤルポートラッシュGC」について
北アイルランドにある「ロイヤルポートラッシュゴルフクラブ」は、全英オープンの舞台として世界中のゴルファーから高く評価されている、非常に歴史と格式のあるリンクスコースです。特に「ダンルース・リンクス」は、その壮大な景観と戦略性の高さで知られています。
ロイヤルポートラッシュゴルフクラブ(ダンルース・リンクス)の主な特徴
- 世界有数のリンクスコース: 大西洋に面したアントリム海岸線に隣接し、自然の地形を最大限に活かした真のリンクスコースです。風の影響を強く受けるため、風の読みと正確なショットが常に求められます。
- 雄大な自然と歴史的景観: 巨大な砂丘に囲まれたコースからは、ダンルース城の廃墟や、世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェー」の一部、さらにはスコットランドのアイラ島なども見渡せる、息をのむような絶景が広がります。
- ハリー・コルトによる設計: 1929年に名設計家ハリー・コルトによって改修され、現在のチャンピオンシップコースの基礎が築かれました。コルトの設計哲学である「自然の地形を活かす」ことが随所に見て取れます。
- 戦略性の高いレイアウト: 打ち下ろし、打ち上げ、ドッグレッグなど、変化に富んだホールが続き、戦略的なマネジメントが求められます。フェアウェイは起伏に富み、深くえぐられたバンカーが多数配置されています。
- 緻密なグリーンデザイン: ゴールデンエイジ後期に設計されたコースであり、他の多くの古いリンクスコースに比べて、よりダイナミックで複雑なアンジュレーションを持つグリーンが特徴です。グリーンの読みが非常に重要になります。
- 全英オープン開催実績: 1951年と2019年に全英オープンが開催され、世界トッププロも苦しめたほどの難易度と整備状況を誇ります。2025年にも開催が予定されています。
- 天候の変化: 北アイルランド特有の変わりやすい天候も、コース攻略の大きな要素となります。突然の雨や強風が、コースの難易度をさらに引き上げます。
ダンルース・リンクスの名物ホール
ダンルース・リンクスには数々の印象的なホールがありますが、特に以下のホールが名物として挙げられます。
- 5番ホール「White Rocks」(ホワイト・ロックス)
- 距離:Par4、約343m(374ヤード)
- 特徴:崖沿いにプレーする息をのむような景観のホールで、右にドッグレッグしています。ティーショットの正確性が重要で、少しでもミスをすればビーチまで転がり落ちる危険性があります。景観の美しさだけでなく、リスクとリワードの要素が詰まった戦略的なホールです。5番グリーンからはダンルース城が見えます。
- 7番ホール「Curran Point」(カラン・ポイント)
- 特徴:2019年の全英オープンに向けて新設されたホールの一つで、谷間の地形に沿って作られています。フェアウェイは砂丘で蛇行しており、右サイドにはアゴの高い特大バンカーが待ち構えています。風の影響も大きく、正確なショットとマネジメント能力が求められるホールです。
- 16番ホール「Calamity Corner」(カラミティ・コーナー)
- 距離:Par3、約215m(236ヤード)
- 特徴:ロイヤルポートラッシュの最も有名で恐れられているパー3です。「Calamity Corner(災難の角)」という名の通り、深い渓谷を越えるオールキャリーショットが要求される、非常に挑戦的なホールです。グリーンは打ち上げで、手前には巨大なバンカーがあり、少しでもショートすれば大惨事となります。2019年の全英オープンでは、このホールでバーディが24個しか出ず、最も難易度の高いホールとなりました。プロをも苦しめる、まさにこのコースの象徴とも言えるホールです。
これらのホール以外にも、14番ホール「Causeway(コーズウェイ)」はバンカーの少ない珍しいホールでありながら、グリーンのアンジュレーションが難解であったり、17番ホール「Purgatory(パーガトリー)」など、それぞれのホールに独自の個性と戦略性があり、ゴルファーを飽きさせないレイアウトとなっています。
ロイヤルポートラッシュは、まさにゴルフの原点であるリンクスゴルフの醍醐味を存分に味わえる、世界最高峰のコースの一つと言えるでしょう。
全英オープンの開催コース
昨年度の開催コース,ロイヤルトゥルーン(スコットランド),今年の会場のロイヤルポートラッシュ,そして以下の名門コースで順繰りに開催される。
- ロイヤル・リバプール・ゴルフクラブ(イングランド)
- セントアンドリュース・リンクス・オールドコース (スコットランド)
- カーヌスティ・ゴルフリンクス・ (スコットランド)
- ミュアフィールド (スコットランド)
- ロイヤル・パークデール・ゴルフクラブ (イングランド)
- ロイヤル リザム&セント・アンズ・ゴルフクラブ (イングランド)
- ロイヤル・セント・ジョーンズ・ゴルフクラブ (イングランド)
開催コースの不文律
全英オープンのコースは、必ず海に沿ったシーサイドリンクスに限ると言う不文律と、あるがままの自然の中のコースであり、蛸壺バンカーや、フェアウエイとは形容できないようなタフなホールも多く、また、海辺の強風のなかでのプレイを強いられるかと思えば、びっくりするような穏やかなコンディションの日もある
放送予定(日本時間)
CS放送 ゴルフネットワーク
7月17日(木) | 14:30~04:00 延長05:00まで |
7月18日(金) | 14:30~04:00 延長05:00まで |
7月19日(土) | 18:00~04:00 延長05:00まで |
7月20日(日) | 17:00~03:00 延長06:30まで |

おもな出場選手
6月10日時点で,日本からの参戦者は,松山英樹 星野陸也 今平周吾 金谷拓実 阿久津未来也 河本力 の6選手。
注目すべき選手は次のとおり。
スコッティ・シェフラー ザンダー・シャウフェレ ローリー・マキロイ シェーン・ローリー コリン・モリカワ ジャスティン・トーマス ジャスティン・ローズ トミー・フリートウッド セップ・ストラカ ベン・グリフィン ラッセル・ヘンリー M.マクネリ A.ノバク ルドビク・オーバーグ コリー・コナーズ ニック・テイラー ほか
初日の組み合わせ
初日の、注目の組み合わせは以下のとおり。
18:03 | アウト | 阿久津未来也 ユ・チュンアン ジュリアン・ガリエ |
17:14 | アウト | 金谷拓実 ブライアン・ニューマン J.ウォルタース |
17:25 | アウト | 松山英樹 M.フィッツパトリック ライアン・フォックス |
18:09 | アウト | スコッティ・シェフラー コリン・モリカワ シェーン・ローリー |
19:15 | アウト | S.U.ジェン 河本力 S.ケーオカンジャナ |
20:42 | アウト | 星野陸也 デイビス・トンプソン ディーン・バーメスター |
20:53 | アウト | 今平周吾 キム・シウ セバスチャン・ケーブ |
23:10 | アウト | ローリー・マキロイ ジャスティン・トーマス T.フリートウッド |
初日のスコア
初日、日本勢でトップは、イーブンパー・32位タイの金谷拓実。
松山英樹は、星野陸也とともに+3・97位タイと出遅れている。
初日の首位グループは、4アンダーのJ.S.オルセン(デンマーク)、リー・ハオトン(中)、M.フィッツパトリック(英)、C.ベザイデンハウト(南ア)、ハリス・イングリッシュ(米)の5人。
スコッティ・シェフラーは、3アンダー・6位タイグループ。マキロイは1アンダーで、20位グループで初日を終えた。
初日を終えて、日本勢の成績は次のとおり。
32T | 金谷拓実 | E |
45T | 河本力 | +1 |
97T | 松山英樹 | +3 |
星野陸也 | ||
128T | 今平周吾 | +5 |
148T | 阿久津未来也 | +7 |
2日目の結果
予選ラウンド2日目,日本人選手のTOPは河本力。2日目を1アンダーとし,トータル・イーブンパーで34位タイに。
金谷拓実は2日目を1オーバー。この日,2アンダーの松山英樹とともに,トータル+1・51位タイで決勝ラウンドに進んだ。
星野陸也は,トータル2オーバーと健闘したが,惜しくもカットラインの+1に届かず,今平周吾・阿久津未来也らとともに予選落ちとなった。
2日目を終えて首位に立っているのは,昨年の王者,スコッティ・シェフラー。第2ラウンドを7アンダーとして,トータルー10。1打差の2位に,M.フィッツパトリック(英)。
ローリー・マキロイは,トータル3アンダーで12位タイにつけている。
決勝ラウンド3日目
3日の日本勢、松山英樹がこの日を3アンダーと健闘し、34位タイに上昇。
金谷拓実も2アンダーでまとめ、トータルー1として44位タイに。
一方、河本力は3日目を7オーバーと崩れ、69位に後退した。
スコッティ・シェフラーがこの日も4アンダー、トータルー14と伸ばし、2位のリー・ハオトンに4打差を付けて首位をキープ。
マキロイは、3日を5アンダー、トータル8アンダーで4位タイに浮上して来ている。
最終日 松山英樹が健闘
最終日、松山英樹は5アンダーとスコアを伸ばし、トータルー7。順位を16位タイに上げて、今年最後のメジャー、全英オープンを終了。
金谷拓実は、この日を1アンダーとまとめ、40位タイに。
河本力も、3アンダーと踏ん張り、63位タイに浮上した。
優勝は、2日目から首位に立ったスコッティ・シェフラー。最終日も3アンダーで、トータルー17と伸ばしての優勝。
大会を終えて、上位選手の順位は次のとおり。
優勝 | スコッティ・シェフラー | -17 |
2 | H.イングリッシュ | -13 |
3 | C.ゴッテループ | -12 |
4T | リー・ハオトン | -11 |
W.クラーク | ||
M.フィッツパトリック | ||
7T | X.シャウフェレ | -10 |
ローリー・マキロイ | ||
R.マッキンタイア |









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