九州への旅を長崎から
80年になろうかという長い人生の間に、九州へは仕事の出張で博多を中心に何回も足を運んだが、昨年11月、生まれて初めて観光目的で一週間、九州を訪問しました。
今回の訪問先は、長崎からはじまり、熊本に一泊。熊本からはレンタカーで阿蘇山をめぐり、高千穂に。高千穂で一泊のあと、宮崎市までドライブする、6泊7日の旅行となりました。
まずは長崎で、昔から小説などでとても興味のあった出島を訪れました。駅近くのホテルからロートル色ゆたかな市内電車で、10分足らずのところに。
江戸時代の出島の見取り図などが頭にあったので、海に突き出た離れ小島的な所を想像していましたが、行ってみると街なかと言うか、周囲は埋め立てですっかり賑やかな市街となっており、その中に遺跡物のように、周囲を囲まれた江戸時代の島の敷地の跡に、商館などの建造物が当時のままに並んでいました。
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「出島」のはじまり ー ポルトガルからオランダへ「主役の交代」
16世紀の戦国時代、鉄砲やキリスト教が日本に伝わり、当時、極東にもっとも進出していたポルトガルとの交易を求めて、地理的にフィリピンやジャワ、中国に近かった九州の戦国大名が自然の良港の長崎に港を開いた。
長崎を中心とするポルトガル貿易は江戸時代になるまで大いに発展しましたが、江戸幕府のキリスト教禁止令の発布と共に、キリスト教の布教を防ぐのと、貿易を幕府の監視下におくため、1936年、この出島を築いてポルトガル人を一ヶ所に収容しました。
その後、翌年の1937年に起きたキリスト教徒による島原の乱などで、ポルトガルと幕府の関係は急速に悪化し、ポルトガル人を出島からも追放する事態となりました。
追放されたポルトガルの勢力に代わり、キリスト教の布教より貿易の利を目的としたオランダが、幕府と接近。1641年には平戸にあったオランダ商館が出島に移され、1859年まで200年余りにわたり、この出島が日本の海外との唯一の接点となりました。
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江戸時代の「出島」を再現 内容が充実しています
出島に入場し、カピタン館はじめ商館をぐるりと見学させていただいた。それぞれの建物を当時そのまま忠実に再現しており、狭い空間に効率よく配置されています。
展示物などで印象に残ったのは、まずは高校教科書などにも出てくる「解体新書」でした。
「解体新書」の著者、杉田玄白(1733年~1817年)は小浜藩の江戸詰めの藩医ですが、20代のころから西洋医学への関心が高まり、前野良沢らとともにオランダ医学書「タ―ヘル・アナトミア」を和訳し、1774年「解体新書」を刊行。将軍家に献上されたとのことです。
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杉田玄白は84歳まで生き、当時としては非常に長命でしたが、晩年には自身の回想録の「蘭学事始」を著しました。
「蘭学事始」は明治2年、福沢諭吉によって刊行されています。
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館内には、当時の宴会をする長テーブルを模した宴席も設けられたり、船長などの個室もあり、江戸時代の出島の様子をかなり詳しく知ることができます。
思わぬ置物「日時計」と「バドミントン🏸伝来」の碑
定番的な商館めぐり以外にも面白かったのは、出島の中の公園の片隅に、江戸時代の日時計が置かれていたのと、ここ出島は在留中のオランダ人が、運動のためにやったであろうバドミントンが、日本で最初にプレイされた地であるとの石碑が立って
いたことです。
先ず日時計ですが、時計を見た時刻がちょうど午後三時でした。その時刻に写真の黒いラインは見ての通り、ほぼ三時を指していたので、感心した次第。
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また、バドミントン伝来の碑を見た途端、狭い出島に閉じ込められたオランダ人たちが、運動を兼ねてバドミントンに興じていたのを想像し、この石碑にも何だか親近感が湧いて来ました。
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長崎にはグラバー亭を始め、平和公園など見るべきところが沢山ありますが、この「出島」も日本の歴史を知るうえで、是非足を運んでいただきたい処(ところ)です。
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詳しい案内は、下の長崎市の公式案内ブログを
ご覧ください!
https://www.at-nagasaki.jp/feature/dejima
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