11月25日夕刻より、将来の球団を背負って立つ、新人の登竜門とも言うべき、恒例の「ドラフト会議」(正式名称「新人選手選択会議」)がおこなわれました。
巨人軍は、昨年に続いて阿部慎之助監督がくじ引きを。最初の1位指名で、関西大学・金丸夢斗投手には、巨人、中日など4球団が集中。くじ引きで中日が交渉権を得たあと、阿部巨人は花崎徳栄高校(埼玉)の石塚祐惺内野手を指名。西武との競合になった結果、巨人が交渉権を得た。
2位指名の浦田俊輔選手(九州産業大・内野手)、3位指名・荒巻悠選手(上武大・内野手)と、上位指名に内野手がならんだことなど、今回のドラフト会議を通じて、阿部巨人の覇権奪還に向けた考え・戦略をみてみましょう。
ドラフト会議・指名選手の一覧
今年のドラフト会議での指名選手を、下位から順番に、簡単なプロフィールとともに列記しました。
育成6位 竹下徠空(らいあ) 明徳義塾高校 内野手 右投・右打 183cm 96kg 体格に恵まれ長打力がある
育成5位 西川歩 山村学園 投手 左投・左打 169cm76kg 小柄だが最速147キロ 制球力もある
育成4位 吹田志道 弘前学院打聖愛高校 投手 右投右打 188cm84kg 将来性を買われる
育成3位 鈴木圭晋 横浜創学館高校 投手 右投左打 183cm85kg フォームのバランスの良さが買われた
育成2位 堀江正太郎 文星芸術大付属高校 投手 右投右打 187cm88kg 147キロのストレートが武器
育成1位 坂本達也 富士大 捕手 右投右打 173cm76kg 二塁送球1.9秒の強肩 走力もある
指名5位 宮原駿介 東海大静岡キャンパス 投手 左投左打 174cm83kg 152キロの速球 スライダー・カットボールも鋭い 即戦力候補
指名4位 石田充冴(じゅうざ) 北星学園大付属高校 投手 右投右打 192㎝86kg 最速149キロの速球 将来の大器の片りんあり
指名3位 荒巻悠 上武大 内野手 右投左打 184cm92kg 長打力・走力を備える
指名2位 浦田俊輔 九州産業大 内野手 右投左打 170cm70kg 走攻守そろったトップバッター候補
指名1位 石塚祐惺(ゆうせい) 花崎徳栄高校 内野手 右投右打 182㎝84kg 強打の遊撃手 走力もある
指名順位からみる阿部構想は
今年のドラフト会議での巨人の特徴は、1位指名で金丸投手を逃したあと、はずれ指名1位から指名3位まで、上位指名の3人とも内野手を選んだことでは。
まず、内野陣の構想だが、坂本勇人が今年12月で36才と歳を重ねており、今シーズンは従来の遊撃手からサードにコンバート、門脇誠選手が遊撃手の主力となっている。坂本選手のポジションは、来季から打力を見込まれる若手に移っていくのでは。
門脇選手は、定評のある華麗な守備でチームを支えてきたが、打撃面ではいまひとつ迫力に欠けるというのが首脳陣の見方では。
1位指名された石塚選手は、自身も小さい頃から坂本勇人に憧れていたと言っているが、首脳陣は彼に坂本二世を託し、打てて守れるショートストップに育てる方針と考える。
来期、二塁吉川は不動としても、サード・ショートには門脇を筆頭に、新人の浦田、荒巻は即戦力として、現有勢力の中山、泉口(いずぐち)、湯浅らと競わせる方針と思う。
泉口らも25才と働き盛りの若手であり、来季の遊撃・サードのポジション争いは一層の熾烈さが予想される。
今季途中から入団したモンテス
来期の残留は今のところ(10月末)微妙
若手投手陣の育成
もう一つの特徴は、指名4位の石田はじめ、育成選手枠で堀江・鈴木・吹田・西川と、将来性のある高校生投手を選んでいることだ。
指名4位の石田をはじめ、育成候補の堀江・鈴木・吹田・西川と、高校球界の逸材を選出し、文字通り手塩にかけて育成する方針。
第一線で活躍している、山崎、井上に続く先発投手の育成が、阿部巨人の近い将来を左右するキイポイントでもある。
指名5位の宮原駿介は
即戦力候補 中継ぎ起用では?
まとめ
今年のドラフト会議における、阿部巨人の構想をまとめると、
1) ポスト坂本を見据えた、内野手の補強
2) 近い将来を見据えた、投手陣の育成
の2点に絞られる。われわれ素人にとっても、きわめて分かりやすい阿部監督の戦略。
現在も2軍で鍛えられている、長打力のある外野手の候補、テイマ(ドミニカ)、フルプ((チェコ)らへの期待と合わせ、来季からの一層の飛躍を期待しましょう!
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