600年の昔から,中国・福建省を中心とした渡来人が住み着いた,那覇市久米地域に広がる「福州園」。
総面積8500㎡におよぶ中国・福建省風庭園「福州園」の4月のある1日を,写真を中心にお届けします。
中国と沖縄(琉球王国)の歴史
14世紀後半、それまでの元帝国をモンゴル高原に追って、明朝が誕生。成立直後から明は周辺諸国に対して積極的に朝貢を呼びかけ、それに応じた国のひとつに琉球があった。1372年洪武帝の時代に、沖縄本島で最も勢力のあった中山国の王、察度(さっと)が入貢し、1402年には察度の跡を継いだ武寧が、明より派遣された冊封使に冊封される。この琉球の朝貢、冊封の習慣は19世紀後半までの5世紀にわたってつづいた。
そのような時代背景のなかで,福建省を中心に多くの中国人家族が琉球に渡来し,那覇港近くの久米村に住みついて,蔡温はじめ多くの英才が琉球王朝の発展に貢献しました。

福州園について
生い立ち
福州園は、那覇市創立70周年を記念して、1992年に中国からの渡来人が住み着いた「久米村」地域の一角に造営されました。
600年前に中国・福建から渡来 久米村に住み着いて琉球王朝の文化面で大きく貢献した,渡来人を顕彰する碑が「福州園」の前面の松山公園内に建てられている

アクセス
那覇市内を,空港から繁華街を通りぬけて,浦添市に行き着く「ゆいレール」を基点に示すと,ゆいレール「県庁前」駅で降り,「松山通り」を西北に歩いて約10分の「久米地区」に,通りに面した中国風の壁に囲まれた「福州園」があります。
那覇空港からですと,空港バイパス経由で約10分。2本の龍の柱を通り抜けて,まっすぐ市内に入ったところに,「福州園」が見えてきます。
庭園の散策
入園口「大門」で入場券を。入園料は9時から午後8時なら,「大人200円」とコスパ抜群。


大門をくぐると,正面に「照壁」が。照壁の前で足を左に向け,小池の「桃花渓」(とうかけい)から,大池の「欧冶池」(おうやいけ)のルートで,ぐるりと庭園を一周することに。



照壁の前の通路を,左に曲がって歩くと,双塔(烏塔と白塔)のあいだに東冶堂が。東冶堂のなかは,昔の中国と琉球を行き来した舟のモデルや,写真の大壺が陳列されている。






白塔から小池の「桃花渓」への道ばたに,スイレンと面白い面のガジュマルが


庭園の東端の池「桃花渓(とうかけい)」」のほとりにたたずむ,「凌波廊(りょうはろう)」と「知春亭(ちしゅんてい)」


桃花渓からメインの大池「欧冶池(おうやいけ)」への小道のほとりにたたずむ,「叢柱亭(そうけいてい)」や石像を楽しみながら,さらに歩くと「欧冶池」の正面にクライマックスの「冶山(やさん)」の滝と,滝の前面に「飛虹橋(ひこうきょう)」の景色にたどり着く。


むすび
ゆいれーる「県庁前」駅から松山通りを歩き,那覇商業高校前を過ぎて,約10分で福州園の入り口に。1992年に造成された,交通至便の場所に在るこの「福州園」は,中国の福建地方の住人,閩人(びんじん)の文化を色濃く反映した庭園です。
入場料も大人200円・小人100円とコスパ抜群。沖縄旅行をされるときは,利用しやすい環境,利用しやすい料金のこの福州園に,ぜひ立ち寄って観てください。


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