もし、あなたが突然、大人の体になってしまったら?そして、心は13歳のままだったら?そんな誰もが一度は空想したであろう、ユニークな設定で世界中の観客を魅了した傑作映画があります。それが、今回ご紹介するトム・ハンクス主演の不朽の名作『ビッグ』です。子供の心を持った大人が、大人の世界で奮闘する姿は、笑いと感動、そして忘れかけていた大切なものを思い出させてくれます。
概評:時代を超えて愛される、夢と現実のファンタジー
本作は、子供から大人へと一夜にして変身してしまった少年の、奇妙で心温まる日常を描いたファンタジーコメディです。その最大の魅力は、なんといってもトム・ハンクスの名演に尽きます。彼は、外見は大人でも、中身は純粋無垢な13歳の少年を見事に演じ切りました。子供ならではの素直な発想が、大人の世界に新風を巻き起こす様子は、観る人すべてを笑顔にしてくれます。また、この映画は単なるコメディに留まらず、大人の社会の複雑さや、友情、そして初恋の淡い感動も繊細に描いています。
あらすじ:13歳の少年が、一夜にして大人に!
13歳の少年ジョシュ・バスキンは、憧れの女の子に「子供扱い」されたことに腹を立て、お祭りの露店にあった「ゾルターン」という不思議な占いマシーンに、「ビッグになりたい(=大人になりたい)」と願います。すると翌朝、彼の願いは叶い、ジョシュは突然、見知らぬ大人の体になっていました。
家を飛び出したジョシュは、親友ビリーの助けを借りながら、慣れない大人の世界で生活を始めます。しかし、子供の純粋な心を持つジョシュの言動は、大人の世界では新鮮な驚きとして受け入れられ、おもちゃ会社に就職した彼は、持ち前の子供目線で次々とヒット商品を開発していきます。仕事は順調に進み、上司の女性スーザンとも心を通わせていきますが、次第に大人の世界と子供の心のギャップに苦しむようになります。

見どころ:心に響く3つのポイント
- トム・ハンクスの奇跡の名演 この映画が特別な存在になった最大の要因は、間違いなくトム・ハンクスの演技力です。彼は、子供の無邪気な仕草や表情、話し方を完璧に再現し、観客に「本当に13歳の少年が入っている!」と信じさせてくれます。彼の全身から溢れ出る子供らしさは、笑いを誘うだけでなく、切ない感動も呼び起こします。
- 伝説のピアノシーン おもちゃ会社のパーティ会場で、ジョシュと社長が巨大な足踏みピアノで「Chopsticks(猫ふんじゃった)」を演奏するシーンは、映画史に残る名場面として知られています。子供の無邪気な遊び心が、大人の堅苦しい常識を打ち破るこのシーンは、観るたびに胸が熱くなります。
- 大人の世界に一石を投じる純粋さ ジョシュは、仕事においても恋愛においても、子供ならではの純粋な気持ちで物事に向き合います。マーケティングや利害関係といった大人の論理とはかけ離れた彼の発想は、周囲の人々を変えていきます。この映画は、私たちに「子供の心」を忘れてはいないか、と問いかけてくるようです。
出演者
- トム・ハンクス(ジョシュ・バスキン)
- エリザベス・パーキンス(スーザン)
- ジャレッド・ラシュトン(少年時代のジョシュ・バスキン)
- ロバート・ロジア(マクミラン社長)
- ジョン・ハード(ポール・ダベンポート)
スタッフ
- 監督: ペニー・マーシャル
- 脚本: ゲイリー・ロス、アン・スピルバーグ
- 製作: ジェームズ・L・ブルックス、ロバート・グリーンハット
- 音楽: ハワード・ショア
むすび
『ビッグ』は、単なるコメディ映画ではありません。それは、大人になることの複雑さ、そして子供の心を持ち続けることの尊さを描いた、普遍的なテーマを持つ物語です。
私たちは大人になるにつれて、いつの間にか忘れてしまった「純粋な心」や「遊び心」を、ジョシュの姿を通して思い出させてくれます。日々の忙しさに追われ、大切な何かを見失いかけていると感じたら、ぜひこの映画を観てみてください。きっと、忘れかけていた大切な気持ちを取り戻すことができるでしょう。



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