こんにちは。82歳を迎え、日々「いかに健やかに、楽しく過ごすか」を模索しているハイシニアの筆者です。
かつて、沖縄が「世界一の長寿の島」として輝いていた時代があったことをご存じでしょうか。1975年から25年もの間、女性の平均寿命は日本一を誇り、世界中の研究者がその秘密を探りに訪れていました。
今の沖縄は食生活の変化などで順位を下げてしまいましたが、当時のデータと暮らしぶりを振り返ると、現代の私たちが健康寿命を延ばすための「大切な点(ポイント)」がいくつも見つかります。
今回は、82歳の私の視点から、かつての長寿日本一・沖縄の数字的な背景と、その根底にあった豊かな生活習慣を紐解いてみたいと思います。今でこそ全国平均並みになりましたが、かつて沖縄は「長寿といえば沖縄」という不動の地位を築いていました。当時の驚くべき数字と、私たちが今、健康寿命を延ばすために学べるポイントを紐解きます。
目次
1. 驚異のデータ:沖縄が「世界一」だった時代
沖縄が日本一の長寿県として注目を浴びたのは、1970年代から2000年頃にかけてです。
- 「25年連続」の日本一: 1975年から2000年まで、女性の平均寿命は四半世紀にわたり日本一を維持していました。
- 100歳超えの割合: 人口10万人あたりの100歳以上の人数(センテナリアン)が、当時の全国平均の約2倍から3倍という圧倒的な多さでした。
- 世界の「ブルーゾーン」: 世界の科学者たちが、世界で最も健康に長生きする地域として、イタリアのサルデーニャ島などと並び、沖縄を「ブルーゾーン(Blue Zones)」の筆頭に挙げました。

2. なぜ当時の沖縄人は長寿だったのか?(3つの視点)
単一の理由ではなく、いくつかの要素が「点」でつながり、健康を作っていました。
- 【食の点】「ヌチグスイ(命の薬)」の精神 当時の食事の中心は、サツマイモ(低GI食品)を主食とし、ゴーヤーやヘチマなどの緑黄色野菜、そして「豚肉」を脂を抜きながらじっくり煮込んで食べるスタイルでした。また、大豆製品(島豆腐)の摂取量も非常に多かったことがわかっています。
- 【身体の点】一生現役の「野良仕事」 かつての沖縄の高齢者は、特別なジムに通うのではなく、日常的に畑仕事や家事、そして「カチャーシー」を踊るなど、常に身体を動かしていました。温暖な気候が、筋肉のこわばりを防いでいた側面もあります。
- 【心の点】「ゆいまーる」と「いちゃりばちょーでー」 これが最も重要かもしれません。相互扶助の精神(ゆいまーる)があり、一人ぼっちを作らない社会でした。また、「一度会えば兄弟(いちゃりばちょーでー)」という楽観的な交流が、ストレスを軽減し、精神的な若々しさを保たせていました。
3. 80代からの「新・長寿戦略」
82歳の今、私たちがかつての沖縄から学べることは、「腹八分目(ハラハチブ)」の習慣と、「誰かとつながり続けること」です。
便利になった現代だからこそ、あえて少し身体を動かし、旬の野菜を楽しみ、周囲と笑顔で会話する。そんなシンプルな「点」を積み重ねることが、令和の時代の健やかな毎日へとつながるのではないでしょうか。



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