PGAツアー本戦もいよいよ残り3試合。フェデックスカップシリーズに突入します。
フェデックスカップ第一戦「セントジュード選手権」は,昨年と同じ,テネシー州メンフィスの郊外,TPCサウスウィンドで8月7日から始まります。
昨年は松山英樹が優勝したこの大会の,概要・出場選手・組み合わせなどを,速報とともにお届けします。


フェデックスカップシリーズとは
PGAツアーの年間王者を決める「フェデックスカップシリーズ」は、レギュラーシーズンのポイントランキング上位者が出場できる、全3戦からなるプレーオフシリーズです。この3大会を勝ち抜いた選手が、年間王者の栄冠と巨額のボーナスを獲得します。
各大会の概要は以下の通りです。
1. フェデックス・セントジュード選手権 (FedEx St. Jude Championship)
- 出場資格: レギュラーシーズン終了時のフェデックスカップポイントランキング上位70名。
- 概要: プレーオフシリーズの初戦で、ここでの成績に応じてフェデックスカップポイントが大きく加算されます(通常大会の4倍のポイントが付与されます)。この大会で上位に入り、次の大会への出場権を争います。
2. BMW選手権 (BMW Championship)
- 出場資格: フェデックス・セントジュード選手権終了時のフェデックスカップポイントランキング上位50名。
- 概要: プレーオフシリーズ第2戦。さらに出場選手が絞られ、よりハイレベルな戦いが繰り広げられます。この大会終了時のポイントランキング上位30名が、最終戦「ツアー選手権」への出場権を獲得します。

3. ツアー選手権 (TOUR Championship)
- 出場資格: BMW選手権終了時のフェデックスカップポイントランキング上位30名。
- 概要: フェデックスカップシリーズの最終戦で、年間王者が決定する大会です。
- 2024年までのフォーマット: これまでは、直前のポイントランキングに応じて、各選手のスタートスコアにハンディキャップが設けられる「ストローク・プレーヤー」方式が採用されていました。例えば、ランキング1位の選手は10アンダーからスタートし、2位は8アンダー、3位は7アンダー…といった形で、スタート時点で打数差がついていました。
- 2025年からのフォーマット変更: PGAツアーは2025年から、このハンディキャップシステムを撤廃することを発表しました。これにより、出場する30人全員がイーブンパーからスタートし、72ホールのストロークプレーで優勝した選手がそのままフェデックスカップ年間王者となります。この変更は、ファンの分かりやすさや、大会としての純粋なスコア勝負を求める声に応えたものです。
- 年間王者: ツアー選手権で優勝した選手が、フェデックスカップ年間王者となり、優勝賞金と5年間のツアーシード権を獲得します。巨額のボーナスも用意されています。
この3つの大会を通して、PGAツアーのトップ選手たちが年間王者の座をかけて熾烈な争いを繰り広げます。特に終盤になるにつれて、出場選手が絞られ、一打の重みがさらに増すのがこのシリーズの魅力です。


大会の概要
大会の名称 フェデックス・セントジュード選手権
日程 2025年 8月7日(木)~8月10日(日)
開催コース テネシー州 TPCサウスウィンド
タイトル・スポンサー セントジュード小児研究病院
セントジュード小児研究病院 テネシー州・メンフィスにある、白血病などの小児の重篤な病気を治療する病院。全米プロゴルフ協会は、多大の寄付を行うとともに、同病院のPRの一環として本大会を開催している。
賞金総額 2000万ドル 優勝賞金 360万ドル
前回優勝者 松山英樹
開催コース・TPCサウスウィンド
テネシー州メンフィスにあるTPCサウスウインドは、長年にわたりPGAツアーのトーナメントが開催されてきた歴史あるゴルフコースです。その特徴と名物ホールは以下の通りです。
TPCサウスウインドの特徴
- PGAツアー唯一のテネシー州にあるプライベートクラブ: テネシー州で唯一PGAツアーが所有するプライベートゴルフコースです。
- 挑戦的なレイアウト: ロン・プリチャードが設計し、ヒューバート・グリーンとファジー・ゾーラーがコンサルタントを務めました。94のバンカーと10のウォーターハザードがあり、PGAツアーの中でも最も難しいコースの一つとされています。
- 水とバンカー: コースの半分以上のホールで水が絡んできます。また、バンカーも非常に多く配置されており、正確なショットが求められます。
- 特徴的な芝: フェアウェイにはアンジュレーションのあるゾイシア芝、グリーンにはチャンピオンバミューダ芝、ラフにはバミューダ芝が使用されており、場所によってボールの挙動が大きく変わるため、戦略性が求められます。
- 「考える」コース: ドッグレッグホールが多く、クラブ選択とティーショットの精度が非常に重要になります。
- 酪農場の面影: コース内にはかつて酪農場だった名残として、2つの穀物サイロと風車が残されており、コースの景観にユニークな趣を与えています。
名物ホール
TPCサウスウインドには、戦略性と景観の両面で記憶に残る名物ホールがいくつかあります。
- 11番ホール (パー3、約157-165ヤード):
- このホールは、TPCソーグラスの有名な17番アイランドグリーンを小さくしたようなホールとして知られています。
- 短いアイアンまたはウッドで、水越えの狭いグリーンを狙う必要があります。
- グリーンの右側全体に水が配置されており、逃げ場がありません。
- ホール全体に風が渦巻くことが多く、PGAツアーで最も難しいパー3の一つとされています。
- 14番ホール (パー3、約231-239ヤード):
- ティーグラウンドが高く、グリーンまで完全に水越えとなる非常に難しいパー3です。
- グリーンは非常にうねっており、右側には水が迫っています。
- このホールもPGAツアーで最も難しいパー3の一つとして常にランク付けされています。
- 18番ホール (パー4、約453-461ヤード):
- 劇的なフィニッシングホールとして知られています。
- ほぼ90度近く左にドッグレッグしており、大きなウォーターハザードが絡んできます。
- ティーショットでは、右のバンカーや左のウォーターハザードを避ける正確性が求められます。
- 短いティーショットでは、ほとんど水越えの長いセカンドショットが残されます。
- 大会の勝敗を左右する重要なホールです。
TPCサウスウインドは、その美しい景観の中に、プロ選手をも悩ませる戦略的な挑戦が散りばめられた、PGAツアーを代表するコースの一つと言えるでしょう。
セントジュード選手権の特徴
大会の特徴
- フェデックスカッププレーオフシリーズ開幕戦: レギュラーシーズンのフェデックスカップポイントランキング上位70名だけが出場できる、プレーオフシリーズの第1戦です。年間王者を決める重要な位置づけの大会であり、ここでの成績が次戦以降の出場資格にも大きく影響します。
- 開催コースの難易度: 開催コースはテネシー州メンフィスにあるTPCサウスウィンド。1988年にロン・プリチャードによって設計され、「ツアー屈指の難関コース」として知られています。特に14番のパー3はツアーの中でも5本の指に入る難しさと言われています。コースはフェアウェイのアンジュレーションが強く、2打目の精度と応用力が求められます。
- 高額なポイント付与: プレーオフシリーズの試合は、通常大会と比べてポイント付与が4倍となるため、ここでの上位進出はフェデックスカップランキングを大きく押し上げるチャンスとなります。
- セントジュード小児研究病院との関係: この大会は、セントジュード小児研究病院(St. Jude Children’s Research Hospital)への支援を目的としています。選手の中には、病院の子供たちとの交流を通じて、彼らのためにプレーする特別な思いを抱く者も少なくありません。チャリティの側面も強く、大会は多くの人々に感動を与えています。

放送予定(日本時間)
CS放送 ゴルフネットワーク
8月8日(金) | 03:00~07:00 |
8月9日(土) | 03:00~07:00 |
8月10日(日) | 02:00~07:00 (延長08:00まで) |
8月11日(月) | 01:00~07:00 (延長10:30まで) |
BS放送 BS10
8月10日(日) | 05:00~07:30 |
8月11日(月) | 05:00~07:30 |
インターネット配信 U-NEXT

おもな出場選手
前週おこなわれる,ウィンダム選手権終了時点での,フェデックスポイントランキング70位以内のおもな選手は次のとおり。(CBS Sportsから)
S.シェフラー R.マキロイ S.ストラカ Rヘンリー J.トーマス B.グリフィン H.イングリッシュ J.J.スポーン T.フリートウッド K.ブラッドリー C.モリカワ 松山英樹 X.シャウフェレ ほか
日本からは,21位の松山英樹選手ひとりです。

ランキング2位のローリー・マキロイが
プレーオフ初戦のセントジュード選手権を欠場
初日のおもな組み合わせ
初日の組み合わせが発表された。おもな組み合わせ・スタート時間(日本時間)は次のとおり。
23:05 | out | 松山英樹 ブライアン・ハーマン |
01:10 | out | キーガン・ブラッドリー M.マクリーニー |
01:10 | out | ザンダー・シャウフェレ A.ポトギーター |
02:05 | out | ニック・テイラー コリン・モリカワ |
02:35 | out | J.J.スポーン トミー・フリートウッド |
02:45 | out | スコッティ・シェフラー セップ・ストレイカ |
初日のラウンド
初日、松山英樹はパー70のラウンドを1アンダー・28位タイで終えた。
注目選手の、初日の結果は次のとおり。
2 | トミー・フリートウッド | -7 |
7T | コリン・モリカワ | -4 |
12T | スコッティ・シェフラー | -3 |
ウィンダム・クラーク | ||
20T | ザンダー・シャウフェレ | -2 |
ジャスティン・トーマス | ||
セップ・ストレイカ | ||
57T | キーガン・ブラッドリー | +2 |
2日目フリートウッドが首位に
2日目,首位におどりでたのはトミー・フリートウッド(米)。アウトと3バーディのあと,インに入っても4バーディ・1ボギーで6アンダー。トータルー13で,9アンダー・2位のジャスティン・ローズ,A.バティア,コリン・モリカワらに4打差を付けている。
スコッティ・シェフラーは2日目を4アンダー,トータルー7として7位タイに。
松山英樹は2日目をイーブンパーでフィニッシュ。トータル1アンダーは変わらず、38位タイに。
3日目シェフラーが追い上げを
セントジュード選手権3日目。トミー・フリートウッドはこの日を1アンダーとし,トータルー14でかろうじて首位をキープ。
同じく英国のベテラン,ジャスティン・ローズが3日目を3アンダーと伸ばし,首位に1打差の2位に浮上した。
昨年の王者・スコッティ・シェフラーが,この日のラウンドを65。5アンダーと大きく伸ばし,首位フリートウッドに2打差のー12に追い上げてきた。
明日の最終日に向けて,上位選手の順位は次のとおり。
1 | トミー・フリートウッド | -14 |
2 | ジャスティン・ローズ | -13 |
3 | スコッティ・シェフラー | -12 |
4T | J.J.スポーン | -11 |
アンドリュー・ノバク | ||
6T | リッキー・ファウラー | -9 |
クリス・カーク | ||
アクシャイ・バティア | ||
ベン・グリフィン |
ジャスティン・ローズ優勝!
最終日,2位でスタートしたジャスティン・ローズ(英)が,4位タイ・11アンダーから追い上げたJ.J.スポーンとー16でならんで1位タイに。
18番ホールを繰り返す,サドンデスのプレーオフ3ホール目で熱戦の末,ローズがスポーンをくだして優勝を。
スコッティ・シェフラーは首位でスタートしたトミー・フリートウッドとともに,3位タイで終了。
松山英樹は最終日を4アンダーと健闘。トータル7アンダー,順位を17位タイまで上げて、来週のFedExCup第二戦のBMW選手権に進む。
最終日を終えて,上位選手の順位は次のとおり。
優勝 | ジャスティン・ローズ | -16 |
2 | J.J.スポーン | |
3T | スコッティ・シェフラー | -15 |
トミー・フリートウッド | ||
5 | キャメロン・ヤング | -11 |
6T | アクシャイ・バティア | -10 |
リッキー・ファウラー | ||
アンドリュー・ノバク | ||
9T | ベン・グリフィン カート・キタヤマ | -9 |
パトリック・カントレー ルドビク・オーベリ クリス・カーク |








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