大相撲の安青錦(あおにしき)は、ウクライナのヴィーンヌィツャ州出身の現役力士です。本名はダニーロ・ヤブグシシン。2004年3月23日生まれの21歳(2025年7月現在)で、安治川部屋に所属しています。
故郷ウクライナと日本に来た経緯
安青錦は、幼少期から柔道を始め、その後相撲にも出会いました。2019年には、大阪で開催された世界ジュニア選手権にウクライナ代表として出場し、この時に日本の関係者と知り合うきっかけとなりました。
ウクライナの国立大学にも合格していましたが、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まったため、戦火を逃れて相撲を続けられる環境を求めて、同年4月に来日しました。
当時17歳だった彼は、戦争によって18歳になると出国が認められなくなり、戦火に巻き込まれる可能性が高まるという切迫した状況にありました。「12歳から日本で力士になりたい」という強い思いを抱いていたため、すぐに出国する必要がありました。
来日後は、2019年の世界ジュニア選手権で知り合った関西大学相撲部主将(当時)の山中新大氏(現関大職員)の自宅に居候し、関西大学や報徳学園中学校・高等学校の相撲部の練習に参加しました。昼間は神戸の日本語学校に通い、夜は相撲の稽古に励む日々を送りました。日本語の習得も非常に早く、来日3年でかなり上達しています。
その後、安治川親方(元関脇・安美錦)に弟子入りし、2023年9月場所で初土俵を踏みました。

主なプロフィール
- 四股名: 安青錦 新大 (あおにしき あらた)
- 本名: ダニーロ・ヤブグシシン
- 生年月日: 2004年3月23日
- 出身地: ウクライナ・ヴィーンヌィツャ州
- 身長: 182.0cm
- 体重: 138.0kg
- 得意技: 右四つ、寄り
- 所属部屋: 安治川部屋
- 初土俵: 令和五年九月場所
- 新十両: 令和六年十一月場所
- 新入幕: 令和七年三月場所
- 最高位: 東前頭筆頭(2025年7月場所)
- その他: 2025年3月場所と夏場所で敢闘賞を受賞。2025年7月場所では、初土俵から12場所目という最速で横綱豊昇龍から金星を獲得しました。
関西大学・山中新大さんとの絆
安青錦と関西大学の山中新大さんとの関係は、安青錦が大相撲を目指す上で非常に重要なものでした。
「ハロー」から始まった絆:安青錦と山中新大さんの出会い
安青錦(本名:ダニーロ・ヤブグシシン)と山中新大さん(当時関西大学相撲部主将、現関西大学職員)の出会いは、2019年のことでした。世界ジュニア選手権で来日していた安青錦(当時はダニーロ君と呼ばれていました)が、大阪府堺市の土俵に立つ姿を山中さんが目撃します。体格がそれほど大きくないにもかかわらず、その強さに山中さんは驚き、「すごいな」と感銘を受けました。これが二人の絆の始まりでした。
その後、安青錦はウクライナ国立大学への進学が決まっていたにもかかわらず、ウクライナ情勢の緊迫化もあり、大相撲の力士になる夢を諦めきれずにいました。そんな時、彼はかねてから交流のあった山中新大さんに「日本に行けませんか?」とメッセージを送ります。山中さんはそのメッセージを受け入れ、安青錦は日本へ渡ることになります。
共に生活し、名付け親となった「新大」
日本にやってきた安青錦は、山中新大さんの自宅に居候し、関西大学や報徳学園中学校・高等学校の相撲部の練習に参加しました。山中さんは、異国の地で相撲に打ち込む安青錦を支え、共に生活する中で、かけがえのない存在となっていきました。
安青錦が相撲界に入り、四股名を考える際、師匠である安治川親方(元関脇・安美錦)から「安」と「錦」の字をもらいました。そして、ウクライナの国旗や自身の目の色にちなんで「青」を、そして何よりも日本で共に生活し、自身の相撲人生の大きな支えとなった山中新大さんへの感謝と敬意を込めて、下の名前を「新大」と名付けました。
実を結んだ相撲の絆
山中新大さんのサポートは、安青錦が大相撲の道に進む大きなきっかけとなりました。報徳学園の相撲部監督が、安青錦を安治川親方に紹介したこともあり、2022年12月に安治川部屋の研修生となり、翌年には初土俵を踏みました。新十両昇進の際には、縁の深い関西大学から化粧まわしが贈呈されるなど、山中さんとの絆は形となって現れています。
安青錦にとって、山中新大さんは日本での生活の基盤となり、相撲の夢を追う上で欠かせない存在でした。彼の四股名「新大」には、そうした深い感謝と友情の物語が込められています。
むすび
安青錦は,7月22日(火)10日目に8勝(2敗)を挙げて,みごとに勝ち越し決定。
今場所(令和七年名古屋場所)は前頭筆頭なので,来場所はまず間違いなく三役に昇進します。
礼儀正しく,何事においてもまじめで熱心な好青年。安青錦のこれからの活躍を見守りましょう!



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