2026年のPGAツアーがいよいよ本格化します。日本ゴルフ界にとって、今年はかつてないほど「世界への扉」が大きく開かれた一年になるでしょう。
絶対的エースの松山英樹選手を筆頭に、久常涼選手、そして下部ツアーから這い上がった平田憲聖選手。さらには中島啓太選手や金谷拓実選手といった、日本ツアーを席巻した若き才能たちが虎視眈々と世界の頂点を狙っています。
本記事では、2026年にPGAツアーでの飛躍が期待される日本人選手5名にスポットを当て、彼らのプロフィールから今シーズンの技術的・メンタル的な課題、そして期待される役割について徹底解説します。
1. 松山英樹:不動のエースが挑む「完全復活」と「2つ目のメジャー」
松山英樹選手は、名実ともに日本ゴルフ界の歴史を塗り替え続けているレジェンドです。2021年のマスターズ制覇、そして2024年のパリ五輪での銅メダル獲得など、常に「日本初」を体現してきました。
プロフィール
- 生年月日: 1992年2月25日
- 出身地: 愛媛県
- 主な実績: 2021年マスターズ優勝、PGAツアー通算10勝(アジア勢最多)
- プレースタイル: 精密機械のようなアイアンショットと、圧倒的なショートゲームの技術。
2026年の課題:コンディションの維持とパッティングの安定
松山選手の最大の敵は、長年抱えている首や腰の負傷です。2025年シーズンも欠場や棄権を余儀なくされる場面が見られました。30代中盤を迎え、肉体的なケアとスケジューリングが、年間を通した活躍の鍵を握ります。
また、技術面ではパッティングのスタッツ向上が永遠の課題です。ショットの精度が世界トップクラスであるため、パットさえ噛み合えば、いつどの試合で優勝してもおかしくありません。2026年は、かつてのタイガー・ウッズのような「勝負どころで沈める力」をどこまで再現できるかが、メジャー2勝目への分岐点となるでしょう。
2. 久常涼:欧州から世界へ。次世代のエース候補
2023年に欧州ツアー(DPワールドツアー)で新人賞を獲得し、2024年からPGAツアーを主戦場としている久常涼選手。若くして海外拠点を築き、物怖じしないプレースタイルは、日本の若手の「象徴」となっています。
プロフィール
- 生年月日: 2002年9月9日
- 出身地: 岡山県
- 主な実績: 2023年カズーオープンdeフランス優勝
- プレースタイル: 攻撃的なマネジメントと、強気のパッティング。
2026年の課題:コースへの適応と「4日間の爆発力」
PGAツアーのコースは、欧州に比べて距離が長く、グリーン周りのセッティングもシビアです。久常選手にとって、2025年は「慣れ」のシーズンでしたが、2026年は「結果」を出す段階に入ります。
特に、初日に好スタートを切っても、決勝ラウンドでスコアを落としてしまうケースが散見されました。タフなセッティングの中で4日間集中力を切らさないスタミナ、そして厳しいピンポジションに対して「守るべきか攻めるべきか」を見極めるコースマネジメントの習熟が、初優勝へのラストピースです。
3. 平田憲聖:コーン・フェリーツアーから掴んだ夢の舞台
2025年、日本ツアーで圧倒的な強さを見せ、Qスクール(予選会)を経て米国下部ツアーからPGAツアーへの昇格を勝ち取ったのが平田憲聖選手です。
プロフィール
- 生年月日: 2000年11月26日
- 出身地: 大阪府
- 主な実績: 2024年日本ツアー賞金ランク上位、日本プロゴルフ選手権優勝
- プレースタイル: 安定したティーショットと、冷静沈着なメンタル。
2026年の課題:米国の芝と「パワーゴルフ」への対応
平田選手の武器は、大崩れしない安定感です。しかし、米国のPGAツアーは「飛距離こそが正義」とされる場面も多く、日本に比べて深いラフや重いグリーンへの対応が求められます。
特に「アプローチのバリエーション」は、日本の芝(高麗やベント)とは異なる米国のバミューダ芝などにおいて試されることになります。まずはシード権の確保が目標となりますが、持ち前の「動じない心」で米国の環境にどれだけ早くアピールできるかが注目されます。

4. 中島啓太:アマチュアNo.1から世界の頂点へ
世界アマチュアゴルフランキング1位を長く保持した中島啓太選手。欧州ツアーを経て、2026年はさらなる高み、PGAツアーでの本格的な飛躍を期しています。
プロフィール
- 生年月日: 2000年6月24日
- 出身地: 埼玉県
- 主な実績: 2023年日本ツアー賞金王、欧州ツアーでの活躍
- プレースタイル: 圧倒的な練習量に裏打ちされた、完璧主義なショットメーカー。
2026年の課題:自己コントロールと環境変化
中島選手は、自分を追い込むストイックさが強みですが、一方で完璧を求めすぎるがゆえに、一度リズムを崩すと立て直しに時間がかかる側面があります。
PGAツアーという最高峰の舞台では、技術はあって当たり前。移動距離や時差、食生活といった**「生活環境の変化」にストレスを感じず対応できる柔軟性**が求められます。「完璧なショット」を求めるだけでなく、ミスを許容しながらスコアを作る「粘り」のゴルフができるようになれば、トッププレーヤーへの道はすぐそこです。
5. 金谷拓実:勝負強さが武器の「鉄の意志」
松山英樹選手の後輩として、常に比較されながらも着実に実績を積み上げてきた金谷拓実選手。国際経験の豊富さは、日本勢の中でも群を抜いています。
プロフィール
- 生年月日: 1998年5月23日
- 出身地: 広島県
- 主な実績: 2019年アジア・パシフィックアマ優勝、日本ツアー複数回優勝
- プレースタイル: どんな状況でも折れないメンタルと、勝負どころのパッティング。
2026年の課題:飛距離不足の克服とチャンスメイク
金谷選手の課題は、PGAツアーのモンスターコースにおける**「平均飛距離」**です。ショットの精度とパッティングでカバーするスタイルですが、パー4の第2打で常にロングアイアンを強いられる状況は不利です。
2026年は、スイング改造や肉体改造による飛距離アップ、あるいはそれを補って余りある「100ヤード以内の精度」をどこまで究められるかが鍵となります。泥臭くパーを拾い、ワンチャンスをモノにする彼本来のスタイルが米国でも通用することを証明する一年になるでしょう。
まとめ:2026年、日本勢がPGAツアーの勢力図を塗り替える
2026年のPGAツアーは、松山英樹という絶対的な支柱に加え、久常・平田・中島・金谷という「黄金世代」に近い若手たちが融合する、非常に楽しみなシーズンです。
彼らに共通する課題は、米国の過酷な環境(コース、移動、芝質)への適応ですが、かつての日本人選手よりも彼らは遥かに「世界」を身近に感じて育ってきました。
松山選手の2勝目のメジャー、そして若手勢のPGA初優勝。2026年、日本のゴルフファンは毎週月曜日の朝に届くリーダーボードの結果に、胸を躍らせることになるはずです。






コメント