佳作映画「幸せなひとりぼっち」 ネタはばらさずに解説します

皆さまに新鮮な気持ちで観ていただけるよう
 映画のネタはバラしません
短い解説ですが、お付き合いくださいね

スウェーデンの人気作家フレドリック・バックマンが、自身の父親をモデルに描いた物語が、同国の数々のコメディ作品で有名なハンネス・ホルム監督により映画化されました。
2015年のクリスマスにスウェーデンで封切られると同時に、5週連続という興行成績一位を占め、5カ月のロングランを続けた大ヒット作となり、ドイツ・ノルウェーはじめ全世界でヒットした作品です。

また、この映画のリメイク版として、米国でトム・ハンクス主演の「オットーという男」が製作され、2022年に公開されました。
筆者は「幸せなひとりぼっち」と「オットーという男」の両作品を観ましたが、正直なところ、小説の舞台であるスウェーデンの「幸せなひとりぼっち」のほうが面白かった。しかし、これは先だって「幸せなひとりぼっち」を、二回も観ていたからかも、あるいは、オットーに扮したトム・ハンクスがダンディすぎて、孤独な頑固ジジイのイメージに合わないと言う、先入観からかも知れませんが(笑)

日本ではこの映画の題名が、「幸せなひとりぼっち」ですが、原題は「オーヴェという男」です。すなわち、米国の「オットーという男」は原題に忠実に付けた題名で、日本での題名は全くの意訳と言うべきかも。

主人公オーヴェの役を演じるのは、スウェーデンの名優ロルフ・ラスゴードで、愛する妻に先立たれ、孤独と悲哀の淵にいる初老のオーヴェ役を、コメディ的要素もまじえながらの演技は素晴らしい。

物語は、孤独な初老の男オーヴェは独りで生きる希望もなく、墓参りのたびに妻のもとへ逝こうと、鬱々とした日々を過ごしていた。
そんな或る日に、隣に引っ越してきたパルヴァネ一家との騒動が、彼に生きる力を与えてくれる。
パルヴァネ家から持ち込まれる、車のバック駐車・病院への送迎・娘たちの子守りと、次から次への問題に、ケンカが絶えない毎日の中から、いつしかそれが彼の日課となり、かけがえのない友情が芽生えてくる。

頑固で心を閉ざしていたオーヴェだったが、次第にハートフルに心が溶け始め、やがて愛する妻との人生の思い出を語り始めるのだった。

おもな登場人物
オーヴェ   物語の主人公  愛する妻に先立たれた59才の男性

ソーニャ   隣に引っ越してきたパルヴァネ家の主婦

パルヴァネ  ソーニャの夫

オーヴェと並んでの主役が、引っ越してきたパルヴァネ家の主婦のソーニャである。
孤独なオーヴェの心を開こうと、心を込めて接する姿が、いつしか私たち映画を見ている観客の心を引きつける。
オーヴェ役を演じた名優、ロルフ・ラスゴードとともに、ソーニャ役のイーダ・エングボルの演技も実に味があり、見事である。

筆者はこの映画を通じて、ひとは助け合ってこそ生きる希望がある」「人生とは結局、なになのか
と言ったテーマを心の中に感じました。
すでに多くの方が、この珠玉のヒューマンドラマを観られたと思いますが、もし、これからという人には、是非ともお薦めしたい佳作中の佳作です。

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