近年、プロゴルフの世界で話題になっている、サウジアラビアのオイルマネーが投資する「LIVゴルフ」。
PGA(全米プロゴルフ協会)とLIVゴルフとの軋轢と突然の和解など、ゴルフの世界を揺るがしている「LIVゴルフ」についてレポートします。
LIVゴルフとは
LIVの意味
LIVとはローマ数字で「54」と言う意味です。昔の柱時計などで、時刻の文字が「Ⅻ」(12)とか、「Ⅴ」とかのローマ数字で刻印されていたのを思い出しますが、「L]とは、ローマ数字で「50」の意味。「Ⅳ」は「4」の意味で、「LIV」と続けて「54」となります。
「LIV」とは、のちほど述べる、ゴルフ競技の方法が、ショットガン方式で54ホールを回ることから付けられた名称では!?
LIVゴルフとは
サウジアラビアの政府系投資ファンド(Public Investment Fund)が出資する、新しい形式でのプロゴルフ競技を運営する団体。2021年に創設。
代表にグレッグ・ノーマン(豪)が就任。有名選手として、フィル・ミケルソン ダスティン・ジョンソンなどが当初より参画した。
2022年6月に第1回大会が、ロンドン郊外Centurion Clubで開催され、優勝者のC.シュワルツェルが、475万ドルと言う巨額の優勝賞金を得たことで話題になった。
LIVゴルフの競技の特徴
競技方法は、俗に言うところの「ショットガン方式」で、4名が1チームとした12チーム(総勢48人)が全員、3日間で3ラウンド(54ホール)を、同時スタートでプレーする。すなわち、12チームが1番ホールから異なるホールに分かれて同時にスタートし、スタートしたホールの前のホール迄の18ホールを回る。したがって、競技時間は4~5時間に短縮される。
また、このショットガン方式で、個人戦と団体戦を同時におこなう。団体戦のルールは、初日・2日目は各組の上位2名の合計スコア、最終日は上位3人の合計で、すべてを合計したストロークの最小組が優勝する仕組み。
同スコアの場合のプレーオフもあるが、個人戦・団体戦両方がプレーオフとなった場合などの細かいルールも定められている。
LIVゴルフの破格の賞金
賞金金額は、それまでのPGAツアーと比較しても、破格とも言える高額になっています。
例えば、2022年度の招待シリーズでは、1大会2000万ドル(プラス団体戦500万ドル)で5大会おこない(英国・米国・アジア・サウジアラビア・米国マイアミ)、、最終戦のチーム戦は3000万ドルと言う破格の金額となった。
LIVゴルフツアーに参加した選手は
グレッグ・ノーマンが代表として、PGAの主力メンバーに誘いをかけた結果、つぎのような有力選手が参加しました。
フィル・ミケルソン ダスティン・ジョンソン テーラー・ゴーチ シャール・シュワルツェル(南ア)
ブライソン・デシャンボー パトリック・リード ブルックス・ケプカ
2022年当初、米国プロゴルフ協会はLIV参戦メンバーに対し除名処分などの厳しい対応をしたが、その後、全米オープン・マスターズなどへの出場を認めるなど対応が変化している
マスターズの覇者ジョン・ラームも
昨年12月からリブゴルフに⛳️
日本からも、谷原秀人はじめ次のような選手が参加している。
香妻陣一朗 稲盛佑貴 木下稜介 谷原秀人
LIVゴルフと米PGA 軋轢(あつれき)から和解へ
「リブゴルフ」が設立された2021年から22年にかけて、PGAは反発を強め、リブゴルフへの参戦者のPGA会員からの除名など、厳しい処置で対応した。しかし、その後はPGA主催のメジャー大会への参戦を認めるなど、柔軟な姿勢に転じています。
そして、水面下で交渉が続いたのか、2023年6月6日、突然のようにPGAから「LIVゴルフ」との和解が表明されました。
その後も一年間余り、両団体は組織面・財務面・法務面、そして将来の運営方法などについて頻繁に会談・交渉がおこなわれている様子です。
この会談には、PGA側からは、タイガーウッズ・アダムスコット・ロリーマキロイなど、現役の有力選手もメンバーとして参加しています
むすび
プロゴルフの世界にあって、絶対的とも言える権威を示していた「全米プロゴルフ協会(PGA)」が、その存立の基盤を揺るがせかねないとも言える、巨大なオイルマネーをバックにした「LIVゴルフ」の挑戦を受けた今回の問題。
2023年6月、電撃的な和解の発表のあと、一年以上を掛けて、現実的・実務的なさまざまな問題・課題を解決するための両者の交渉が続いています。
ある時点で、それらの諸案件を解決し、またもや統合に向けた和解案などが電撃的に発表されるのではと思う一方、サウジの政府系投資会社(Public Investment Fund)の本来目的である投資の果実の回収が、急激に上昇した賞金額・運営費などを償却しながら実現できるのかなど、両団体の根本的な和解・統合に向け、予断を許さない状況も予想されます。
両団体の和解が成立して、ゴルフと言うスポーツが
将来も大いに発展しますように!
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