長いPGAツアーのレギュラーシーズンを終える、8月中旬。シーズン最後の公式戦・ウィンダム選手権が終ると、いよいよ年間の最後の仕上げ、フェデックスカップ(FEDEX CUP)・プレーオフのサバイバル戦が始まる。
今回は、このFEDEX CUPの仕組みと、これまでの歴史など概要を、分かりやすくレポートしたいと思います。
FEDEX CUPの概要・賞金
2007年からスタートしたFEDEX CUP。世界的物流会社である「フェデックス(FEDEX)」が冠スポンサーであることから、この名称が付けられています。
概要
1月最初のPGA公式戦、「ザ・セントリー」から始まり、8月上旬のレギュラートーナメント最終試合の「ウィンダム選手権」までの36試合、あらかじめ決められたフェデックスポイントを加算し、そのトータルの上位70名が、8月下旬からスタートするプレーオフ3試合に参加する権利を与えられる。
プレーオフは3試合おこなわれ、最初のセントジュードは70名が参加。次のBMWは上位50名が。最終のツアー選手権は上位30名によって争われる。
2024年度のプレーオフシリーズの日程は、次のとおり。
フェデックス・セントジュード選手権(70名) | 8月15日(木)~18日 |
BMW選手権(50名) | 8月22日(木)~25日 |
ツアー選手権(30名) | 8月29日(木)~9月1日 |
賞金
今年の、最終のツアー選手権の賞金総額は7500万ドル。優勝賞金は1800万ドルとけた違い。
最初の公式戦「ザ・セントリー」から、最終の「ウィンダム選手権」まで、メジャーなどの大会には多い目に、フェデックスポイントが付与される。また、最後のプレーオフ3試合のうち、セントジュードとBMWにはレギュラーシーズンより大きい特別のポイントが与えられ、これらのポイントの総数によって最終戦「ツアー選手権」への順位が決定。
今年の、プレーオフ最終のツアー選手権の賞金総額は7500万ドル 優勝賞金1800万ドル 2位に650万ドル 10位で100万ドル 最下位の30位でも50万ドル プレーオフ不参加の31位以下125位までにも相当額を そして126~150位の選手にも各8万ドル程度のボーナスが支給される
ポイント付与の仕組み
各試合のポイント数
2024年度からのレギュラーシーズンのポイント配分は以下のようになりました。
参考として、下表に1位から10位までのフェデックスポイントを列挙したが、試合ごとに下位までポイント数が決められている
Finish | メジャー | 指定イベント | レギュラー | オルタネイト |
1 | 750 | 700 | 500 | 300 |
2 | 400 | 400 | 300 | 165 |
3 | 350 | 350 | 190 | 105 |
4 | 325 | 325 | 135 | 80 |
5 | 300 | 300 | 110 | 65 |
6 | 275 | 275 | 100 | 60 |
7 | 250 | 250 | 90 | 55 |
8 | 225 | 225 | 85 | 50 |
9 | 200 | 200 | 80 | 45 |
10 | 175 | 175 | 75 | 40 |
FedEx Cupの3試合の仕組みとポイント数
レギュラーシーズンに積み重なったフェデックスポイントの総数で、プレーオフに出場する権利のある70名が選ばれる。
70名のうち誰かが辞退して欠場となっても繰り上げはなし
第2戦(50名)第3戦(30名)も同様
フェデックスポイントの加算
レギュラーシーズンは、メジャー優勝でも750ポイントだが、プレーオフの最初の2つのトーナメント、「セントジュード」と「BMW」の優勝者には大きく、2000ポイントが加算される。
主な、各順位のポイント数は次のとおり。
POS | Points | POS | Points |
1 | 2000 | 30 | 112 |
2 | 1200 | 40 | 64 |
3 | 760 | 50 | 34 |
10 | 300 | 60 | 20 |
20 | 180 | 70 | 12 |
プレーオフ3試合・順位決定の仕組み
そして、「セントジュード」・「BMW」・「ザ・ツアー」と続く、プレーオフの順位の決め方は次のとおり。
「セントジュード選手権」「BMW選手権」
この最初の2ゲームは、その試合終了時のフェデックスポイントの累計で決定。(直前までの合計+当該試合のポイント数)
「ツアー選手権」
そして、ツアー選手権は、上記の年間ランキングに基づき30位以内の選手が、スタート時に上位の選手から順にストロークのアドバンテージを与えられて、トーナメントゲームを開始する。
この時点で、フェデックスポイントは、ゲームの順位とは関係がなくなる
例えば、ランキング1位の選手は、10ストローク(ー10)、5位には5ストローク(ー5)と言うアドバンテージ(逆ハンディ)が与えられてのスタートになる
すなわち首位の選手は、ー10からスタートするわけだ
出場選手30名の、各順位のアドバンテージは次のとおり。(スタート時のストロークス)
POS | Starting Strokes |
1 | -10 |
2 | -8 |
3 | -7 |
4 | -6 |
5 | -5 |
6~10 | -4 |
11~15 | -3 |
!6~20 | -2 |
21~25 | -1 |
26~30 | 0 |
歴代の年間王者は次のとおり
2007年から始まったフェデックスカップ。歴代の年間王者は次のとおり。
年度 | 年間王者 | 年度 | 年間王者 |
2007 | ターガー・ウッズ | 2016 | ロリー・マキロイ |
2008 | ビジェイ・シン | 2017 | ジャスティン・トーマス |
2009 | タイガー・ウッズ | 2018 | ジャスティン・ローズ |
2010 | ジム・フーリック | 2019 | ロリー・マキロイ |
2011 | ビル・ハース | 2020 | ダスティン・ジョンソン |
2012 | ブラント・スネデカー | 2021 | パトリック・カントレー |
2013 | ヘンリック・ステンソン | 2022 | ロリー・マキロイ |
2014 | ビリー・ホーシェル | 2023 | ビクトル・ホブラント |
2015 | ジョーダン・スピース | 2024 | ? |
やはり実力者が王者に!
むすび
以上、簡単ですが、フェデックスカップの仕組みと面白さをレポートしました。
FedEx Cupのシーズン順位は、次のような過程で決定します。
- レギュラーツアー36試合「ザ・セントリー」から「ウィンダム選手権」のフェデックスポイント累計で、上位70名が決定(プレーオフ3試合とも、繰り上げ出場は認めらっれない)
- 上位70名で、フェデックスカップ・プレーオフの初戦、「セントジュード選手権」を。「セントジュード選手権」では、フェデックスポイントも、優勝者2000ポイントと大きい。
- 「セントジュード選手権」上位30名で、プレーオフ第2戦「BMW選手権」を。このゲームも、初戦と同じポイント数が与えられる。
- {BMW選手権」の終了時点で、フェデックスポイント総数の上位30名を決定。31位以下は、この時点で順位が確定する。
- プレーオフ最終戦「ツアー選手権」は、「BMW選手権」終了時の上位30名が出場。1位(ー10)から順に逆ハンディキャップが与えられ、4日間のストロークプレーで順位が決定される。
- 「ツアー選手権」の優勝者が、FedEx Cup年間優勝者となり、優勝賞金1800万ドルとトロフィー、5年間のツアーシード権が与えられる。
パリ・オリンピックの男子ゴルフ・ウィンダム選手権が終了後、8月15日から、いよいよ始まるフェデックス・プレーオフシリーズ。
一緒に楽しみましょう!
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この莫大な賞金の出し手は誰?夫々スポンサー企業が全額負担するのか?