イギリス・北アイルランドでおこなわれる全英オープンと同じ週に,米・西海岸のカリフォルニア州で開催される「バラクーダ選手権」。
ステープルフォード方式という,通常のトーナメントとは異なる競技ルールでおこなわれる大会の,概要・競技ルール・出場選手・組み合わせなどを,速報とともにお届けします。



大会の概要
大会の名称 バラクーダ選手権
日程 2025年 7月17日(木)~7月20日(日)
開催コース カリフォルニア州 タホ・マウンテン・クラブ オールドグリーンウッド
主催スポンサー バラクーダ・ネットワークス(メール・ネットワークなどのセキュリティ事業)
賞金総額 400万ドル 優勝賞金 72万ドル
前年度優勝者 ニック・ダンラップ
タホ・マウンテン・クラブについて
バラクーダ選手権が開催されるカリフォルニア州のタホマウンテンクラブ・オールドグリーンウッドコースは、以下の特徴と名物ホールを持っています。
タホマウンテンクラブ・オールドグリーンウッドコースの特徴
- 設計者: ジャック・ニクラスが設計したコースです。
- 高地での開催: シエラネバダ山脈に位置し、標高約1,800メートル(6,000フィート)近い高地で開催されます。この高地の影響はゴルフボールの飛距離に大きく影響します。
- 飛距離の増加: 空気の密度が薄いため、ボールにかかる抵抗が小さくなり、平地に比べて飛距離が約7%増加すると言われています。普段300ヤード飛ぶ選手が321ヤード飛ぶ計算になります。
- ボールの揚力低下: 空気が薄い分、ボールの揚力も低下します。ロフトの少ないクラブで打つと、ボールが上がりにくくなり、浅い角度で落下する傾向があります。これにより、グリーンを狙うショットが止まりにくくなる可能性があります。
- 曲がりにくさ: ボールがスライスやフックしにくく、曲がりにくくなるという特徴もあります。
名物ホール
具体的な各ホールの詳細な情報は見つけられませんでしたが、一般的な情報として、タホマウンテンクラブ・オールドグリーンウッドコースは「しっかりアンジュレーションの効いているグリーンも含めて難攻不落の挑戦心をくすぐられる見事なホール」が多いと評価されています。
また、「ティーグラウンドに立った瞬間に、なんじゃこりゃ!となる大量のバンカー」があるホールも存在するようです。これは目の錯覚を利用しており、どこに打ってもバンカーに入るように感じる「恐怖のホール」として知られている可能性があります。
放送予定(日本時間)
CS放送 ゴルフネットワーク
7月18日(金) | 06:00~09:00 |
7月19日(土) | 06:00~09:00 |
7月20日(日) | 06:00~09:00 |
7月21日(土) | 07:00~10:00 (延長12:00まで) |
BS放送 BS10
7月20日(日) | 07:00~09:30 |
7月21日(月) | 08:00~10:30 |

ステープルフォード方式とは
バラクーダ選手権で採用される「ステープルフォード方式」について
バラクダ選手権(Barracuda Championship)で採用されている「ステープルフォード方式」は、一般的なストロークプレーとは異なり、各ホールのスコアに応じてポイントを獲得し、その合計ポイントで順位を競うユニークな競技ルールです。
ステープルフォード方式の基本
この方式は、イギリスのフランク・ステープルフォード博士によって考案されました。通常のストロークプレーでは合計打数の少なさを競いますが、ステープルフォード方式では合計ポイントの多さを競います。
バラクダ選手権で採用される「モディファイド・ステープルフォード方式」のポイント配分
バラクダ選手権で採用されているのは、通常のステープルフォード方式を修正した「モディファイド・ステープルフォード方式」です。この方式では、良いスコアには多くのポイントが与えられ、悪いスコアにはペナルティポイントが課されます。
具体的なポイント配分は以下の通りです。
- アルバトロス(パーより3打少ない): +8ポイント
- イーグル(パーより2打少ない): +5ポイント
- バーディ(パーより1打少ない): +2ポイント
- パー: 0ポイント
- ボギー(パーより1打多い): -1ポイント
- ダブルボギーまたはそれ以上: -3ポイント
ステープルフォード方式のメリット
- 攻撃的なプレーを促進: バーディやイーグルといったアンダーパーのスコアに高いポイントが設定されているため、選手は積極的にピンを狙ったり、攻めのゴルフを展開する傾向が強まります。
- 大叩きの影響が限定的: たとえ1つのホールで大きくスコアを崩し(例えばトリプルボギーやそれ以上)ても、最大で-3ポイントのペナルティとなるため、一般的なストロークプレーのようにその1ホールで優勝争いから大きく脱落する可能性が低くなります。これにより、最後まで諦めずにプレーを続けるモチベーションを保ちやすくなります。
- 観客にとって分かりやすい: プラスポイントとマイナスポイントでスコアが変動するため、視覚的にスコアの動きを把握しやすく、観戦する側にとってもエキサイティングな展開が期待できます。
- アマチュアにも適している: 大叩きのペナルティが限定的であるため、アマチュアゴルファーがラウンドする際にも、精神的な負担を軽減し、より前向きにプレーを楽しめる側面があります。
ステープルフォード方式のデメリット
- 安定性よりも爆発力: 安定してパーを重ねるよりも、バーディやイーグルを多く奪う爆発力のある選手が有利になる傾向があります。
- 従来のゴルフの感覚と異なる: ゴルフは「いかに打数を少なくするか」という根源的なルールから逸脱するため、慣れていないプレイヤーや観客には違和感があるかもしれません。
バラクダ選手権は、PGAツアーで唯一このモディファイド・ステープルフォード方式を採用している大会であり、その独自のルールが毎年ドラマを生み出しています。
おもな出場選手と組み合わせ
日本人選手は、久常涼と桂川有人・大西魁斗の3人。
ほかに、ニック・ダンラップ、チャン・キムらに注目したい。
予選ラウンドは、久常涼と桂川選手が同じ組のスタートに。初日のスタートは、日本時間04:11インコース。同伴競技者は、ベテランのM.アーミテージ(英)。
大西魁斗は、05:50アウトコース。チャン・キムは、22:56イン、ニック・ダンラップは04:33アウトコースの、それぞれスタートとなっている。

初日の結果
初日の日本勢の中でトップは桂川有人。トータル12プラスで10位タイに。
久常涼は、+7で46位タイ。大西魁斗は+3で80位タイと出遅れている。
2日目の結果
予選ラウンド2日目,桂川有人は+9と加点してトータル+21・10位タイに。
久常涼は2日目を+6。トータル+12で、55位タイに後退した。
大西魁人は2日目,ー1と減点になり,予選通過はならなかった。
決勝ラウンド
決勝ラウンド3日目を、23位タイとした桂川有人。最終日を+4として、トータル+28。29位タイに。
久常涼は最終日、+6として順位を上げ、47位タイで大会を終了。
優勝は、前日首位タイのライアン・ジェラルド。トータル+47に伸ばして、嬉しい初優勝を飾った。




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