「CMEグローブポイント」とは、全米女子ゴルフ協会が定める女子ツアーの順位基準で、新年度よりスタートする公式戦ごとに与えられたポイントが、各選手に配分・加算され、シーズン最終のCMEグループツアー選手権への出場権を決めるとともに、来季のシード権など、選手の出場権をかけた優先順位を決める重要なポイント制度です。
今回はこの、全米女子ツアーの重要な指標「CMEグローブポイント」の仕組み、役割、リシャッフル精度などについて分かりやすく説明します。
CMEグローブ・ポイントとは? その役割は?
全米女子ツアーのレギュラー戦で、各順位に基づいて付与されるポイント数。男子ツアーの、フェデックスカップポイントに匹敵する仕組みとも言えます。
ポイントの配分は、通常の試合は優勝500ポイント・2位320ポイント・3位230ポイント。以下、10位75・20位45・50位7.5ポイントとなっている。
また、協会の定めるメジャー大会は、通常の試合の30%アップのポイント数となる。
新年1月より始まるLPGAツアー第一戦から始まり、最終戦「CMEグループツアー」の直前のトーナメント、アニカ・ドリブンまでに積み重ねた、CMEグループポイント数の上位60名に対し、ツアー最終戦の「CMEグループツアー」への出場権が与えられるとともに、ポイント数の上位80名には、来季の優先出場順位(Priority List)上位者として、シード権が与えられる。
CMEポイントは、別名
「レース・トゥ・CMEグループ」
Race to CME Group !
とも言われている
日本人選手のCMEポイント
では、日本人選手の最新のCMEグローブポイントを列挙します。(100位以内)
順位 | 出場 | 獲得ポイント | |
2 | 古江彩佳 | 19 | 2303 |
14 | 西郷真央 | 20 | 1037 |
20 | 笹生優花 | 15 | 974 |
39 | 畑岡奈紗 | 19 | 692 |
44 | 渋野日向子 | 19 | 633 |
62 | 西村優菜 | 18 | 436 |
75 | 勝みなみ | 18 | 343 |
96 | 稲見萌寧 | 13 | 216 |
メジャー大会のエビアンを制した古江彩佳は、堂々の2位に。西村優菜は62位で、CMEグローバル選手権出場資格の60位以内にあと一歩。
ちなみに、CMEポイントランキングのトップは、ネリー・コルダで、3603ポイントと断トツ。さすが、今シーズンだけで6勝を挙げており、貫禄十分。
リシャッフルによるシード権獲得
新しいシーズンの始まる時点で、Priority Listとして、次の項に当てはまる選手は、いわゆるシード権者として相対的に上位にランクされます。
- CMEグローブポイントの上位80名
- キャリアマネートップ・20名
- 過去5シーズンのメジャー優勝者
- 過去2シーズンのレギュラー試合優勝者
- 過去3シーズンで同一シーズン複数回優勝者
- 過去4シーズンで同一シーズン3回以上の優勝者
- 直前のシーズンで非会員で優勝し、会員登録した選手(稲見萌寧が、2023年TOTOクラシックで優勝。会員登録して107位にランクされた)
- 上記の条件に加えて、「以上の選手以外に、リシャッフルで一定の資格を得た選手」で、リシャッフル後のCMEグローブポイント80位までの選手が、上位のシード選手としてPriority Listにリストアップされる
また、Qスクール上位者、CMEグローブポイント81位以下などの選手に対しても、ポイント順にランキングが与えられます。
Qスクール1位は
全体順位136位
リシャッフル制度については、19のカテゴリーに分けた、細かい条件などが定められているが、細部に亘る規則に対しては、ゴルフファンからの注目度・関心はそれほど高くなく、年間2~3度のリシャッフル=優先出場権の見直し制度が用意されている、と考えれば良いともいえます
むすび
以上、全米女子ゴルフ協会の定める、「CMEグローバルポイント」制と、「リシャッフル」制度のあらましを述べてみました。
とくに、リシャッフルについては、カテゴリーを詳細に19に分け、優先順位の見直しを決めていますが、我々観戦を楽しむ立場からは、あまり難しく考えずに、「敗者復活」的な救済措置がシーズン途中の5月・7月に行われるのだ、と単純に考えても良いかも知れません。
しかしその一方で、レギュラー試合で当落ギリギリの選手にとっては、成績次第でシードを失うと言う、厳しい現実が待っているとも言えます。
女子ツアーのレギュラー戦では、通常144人が出場(主催者推薦4人も含むから、実質140人)でき、予選ラウンド・36ホール(2日間)終了後、65位までが決勝ラウンドに進むことができる
熱いたたかいを繰り広げる、全英女子ツアー。これらの仕組みも少し理解しながら、シーズンの最後まで、一試合・一試合を味わいながら楽しみましょう!
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