シニアにおすすめの良書「オリーヴ・キタリッジの生活」 

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作者 エリザベス-ストラウトはWASPの末裔

1956年生まれ メイン州ポートランド出身
作家生活をしながら、ニューヨークに長く在住しています。
作家としてのデビューは遅く、初めての長編小説は1998年発表の「エイミーとイザベル」
2008年発表の長編小説三作目の本作品「オリーヴ・キタリッジの生活」で、翌年ピュリッツァー賞を受賞。

ストラウト家は先祖を辿れば、メイフラワー号の到着(1620年)より前から移住してきた、典型的なWASP
(White Anglo-Saxon Protesstantの略)の家系で、この作品の舞台も彼女が生まれ育ったアメリカ北東部・イングランド地方の田舎町という設定です。

物語の主な登場人物

物語は13編の短編から成り立っていますが、それぞれの短編がオリーヴの人生(中年から74歳まで)と共に進むので、最初から最後までページの進むとおりに読まれることをおすすめしたい。
また、編ごとに、(一部は重なって登場するが)登場人物が多彩なので、物語に出てくる順番にほぼ沿って、主な登場人物を簡単な注釈を添えて以下にまとめてみました。

オリーブ・キタリッジ
物語の主人公 大柄な数学教師 不愛想で口を開けば感じの悪いことばかり

ヘンリー・キタリッジ
オリーブの夫 薬剤師 町中の皆から「良い人」と言われている

クリストファー・キキタリッジ
オリーブとヘンリーの愛息子

スザンヌ
クリストファーの最初の妻

デニース・ティポドー
ヘンリー・キタリッジの薬局の使用人

ヘンリー・ティポドー
デニースの夫 誤って猟銃で撃たれる

ケヴィン・コウルソン
オリーヴの教え子

ハーモン&ポニー
荒物屋を営む倦怠期の夫婦 

デイジー・フォスター
未亡人 ハーモンの愛人

ティモシー(ティム)・バーナム
町の住人キャスリン・バーナムのいとこ

ニーナ・ホワイト
ティムの恋人 マリファナ中毒に罹っている

ベシー・デイビス
町のオールドミス

ビル&バニー・ニュートン夫妻
キタリッジ夫妻の旧知の友人

ボブ&ジェーン・ホールトン夫妻
町の住人 ジェーンはオリーヴと同じ学校の教師だった

アラン&ダナ・グレンジャー夫妻
町の住人 リディアとパティと言う娘がいる
ホールトン夫妻は彼らのことを「リディア夫婦」と呼んでいる」

ロジャー&ルイーズ・ラーキン夫妻
ルイーズはオリーヴのいた学校で元学生相談担当
息子のドイルが凄惨な事件を起こし、殺人罪で服役中

メアリ・ブラックウェル
ヘンリーの入居中のホームの介護士 

マーリーン・ポニー(旧姓モンロー)
オリーヴの教え子 食品店を経営
夫のエディに先だたれる

ケリー・モンロー
マーリーンの従姉妹 男癖が悪い

アニータ・ハーウッド
美人でジュリーとウィニーの二人娘の母親

ジム・ハーウッド
アニータの夫でお人よし 断酒中 学校の用務係をしていた

アン
クリストファーの再婚相手 二児の連れ子シオドアとアナベルがおり、クリストファーとの子を宿している

ジム・オケーシー
元オリーヴの同僚 故人

レベッカ・ブラウン 
オリーヴの教え子で近くの町メイシーミルズに住む

デイヴィッド 
レベッカの同棲相手

ジャック・ケニソン
ハーヴァード大出身のインテリ
退職してクロズビーに移り住むが妻に先立たれる

作品のツボはここ

物語はメイン州の片田舎にある架空の町「クロズビー」が舞台で、そこに住むオリーヴ・キタリッジと言う大女の数学教師が主役である。
彼女の性格は何とも毒性があるというか、不愛想な気分屋で傍若無人。しかし、読み進むうちにその人間的魅力がジワジワと伝わって来ます。

オリーヴはこの小説を構成するそれぞれの短編の中に、或る時は主役で、或る時は脇役で、そして刺身のツマ程度にちょこっと顔を出す編もあるが、全体として彼女が田舎町クロズビーに住みながら、次第に年老いていくなかで、彼女と彼女の周囲の町の住人たちの、さまざまな人間模様、出来事が巧みに描かれています。

片田舎の町にしては、オリーヴの40代の人生の盛りから70代半ばまでの半生の間の物語とは言え、いろいろと事件やら出来事が多い気もしますが、考えてみれば日本の片田舎でも同じことで、30年以上もの長期間、そこに住んで人々が生活を営むあいだには、良きことも悪しきことも、実に色んな物語があるはずです。

この小説は、そんな一見退屈そうな田舎町を舞台にしつつ、「生きる」と言うことを正面からとらえ、ごまかしのない出来事の積み上げと、人々の心の中を正直に書きつづった秀作であり、是非一読をお勧めしたい一冊です。

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