昨2025年は、沖縄が舞台の映画の当たり年。2月に封切られた「かな(愛)さんどう」からはじまり、7月には「木の上の軍隊」。9月は「宝島」、一部映画館で「風のまじむ」と、立て続けに4作が上映された。
そして、これら4作のうち「愛さんどう」と「木の上の軍隊」の2作の舞台は、美ら水族館のある本部町の対岸に浮かぶ伊江島とわかり、今年はぜひ伊江島を訪ねようと心に決めたしだい。

本部港からフェリーで伊江島に
伊江島は周囲22kmの小さな島ですが、高低差のある坂道が多く、高齢の私が島の名所を巡るには自転車ではきつすぎると聞き、フェリーを利用したドライブで訪ねることに。
車で渡るときは必ず事前予約を 収容台数80台以上のかなり大きなフェリーですが、利用客も多く、車を利用しての伊江島旅行は事前の予約が必須 ウィークディは業務用の車も多く、 意外と日曜日のほうが空いている場合が多いです 本部港フェリー予約 ; 0980-47-3940 (7:30~17:30)
4月19日(日)早朝6時過ぎに那覇市内を出発。高速を利用して終点の許田から名護市を経て、美しい海岸沿いを走って安全運転で7時40分に到着。

少し早すぎたが、遅いよりはましだー
朝一番、8時に伊江島港を出港したフェリーが20分後には本部港沿岸に到着。フェリーの入港と着岸の風景です。
定刻の9時に出港したフェリーの周囲360度の風景と、伊江島と本島・本部町の先端<美ら海水族館>付近との間の海の風景です。
船上からのきれいな風景を楽しんだと思ったら、20分ほどで「あと10分で上陸開始です。車の方はお戻りください。」とのアナウンスで、船内のレンタカーに戻って上陸のための待機を。9時30分には予定通り、伊江島に上陸していよいよ島めぐりを。
映画「かな(愛)さんどう」で観た「リリーフィールド公園」へ
映画「愛(かな)さんどう」に出てきた、印象的な鉄砲ゆりが満開の「リリーフィールド公園」は伊江島港から車で15分程度で。
リリーフィールド公園への道すがら、印象的な「ハイビスカス🌺園」も目をひきます。



リリーフィールド公園には海外種もふくめ、満開近くの数千本の百合の花がところ狭しと並んでいました。
とりわけ目を引くのは、映画「かな(愛)さんどう」でも出てきた鉄砲ユリの園。


伊江島の象徴「伊江島タッチューへ」
百合の花に堪能したあと、向かったのは伊江島の象徴ともいえる「伊江島タッチュー」城山。リリーフィールド公園からはレンタカーで10分余りで,山腹に設けられた休憩所に到着しました。
伊江島タッチューは頂上が標高172.2メートルという、山というよりは小高い丘の高さですが、奇岩とも言える世界に類を見ない独特の岩肌です。

伊江島タッチュー(城山)の概要
伊江島の中央部にそびえる標高 172.2m の岩山です。古くから航海の目印として親しまれ、沖縄本島北部(本部半島など)からもその独特なシルエットをはっきりと望むことができます。
1. 地質学的な特徴(オフスクラップ構造)
世界でも珍しい**「オフスクラップ構造」**という地質現象で形成されています。
- 仕組み: 古い岩盤(約2億年前)が新しい岩盤(約7,000万年前)の下に潜り込む際、古い岩盤の一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗り上げたものです。
- 希少性: この現象を地上で見ることができるのは、世界中で伊江島だけだと言われています。
2. 信仰と歴史
- 御嶽(うたき): 山中や麓には複数の御嶽があり、航海安全や豊作を祈願する聖域として大切にされています。
- 伝説: 力持ちの「運玉義留(ウンタマギルー)」が足跡を残したという伝説など、島民の暮らしと密接に関わっています。
3. 観光と眺望
- 登山: 麓から頂上までは階段が整備されており、15分〜20分ほどで登ることができます。
- パノラマ: 山頂からは伊江島全体をはじめ、周辺の慶良間諸島や沖縄本島北部を360度見渡す大パノラマが楽しめます。
伊江島を訪れる際は、その歴史的背景や珍しい成り立ちを思い浮かべながら登ると、より深い魅力を感じられるはずです。


頂上からは、東シナ海に浮かぶ伊江島を中心に、360度のパノラマのような風景が広がっています。


映画「木の上の軍隊」のロケ地へ
昨年7月に上映された、堤真一・山田裕貴が主演の映画「木の上の軍隊」には強烈な印象を受けました。
伊江島での激戦のあと、終戦を知らずに2年間も、島内の大木・ガジュマルの樹の上で隠れて生き抜いた、二人の兵士の実話の物語です。これまでグアム島での横井正一さん、フィリピン・ルバング島での小野田寛郎さんの話は聞いていましたが、日本の中で実際にあった物語だけに感慨を覚えるとともに、どうして大きな話題にならなかったのかなぁ、とも思います。
この映画「木の上の軍隊」のロケ地・ミースィ公園が港の近くにあると知り、伊江島でのドライブの最後に訪ねました。
「ミースィ公園」には、映画『木の上の軍隊』の撮影のために移植された巨大なガジュマルが今も瑞々しく枝を広げています。劇中の緊迫感を伝えるこの木は、今や島の新しいシンボルとなりました。
一方、史実で二人の兵士が潜んだ「本物」のニーバンガズィマールは、2023年の猛烈な台風により根元から倒壊し、一時は枯死の危機に瀕しました。しかし、平和の記憶を絶やしたくないという住民の強い願いにより蘇生作業が行われ、現在は再び大地に立ち、新たな芽を吹かせています。
映画が残した「再現の木」と、苦難を乗り越え再生した「歴史の木」。伊江島に立つ二つの巨木は、語り継ぐべき命の力強さを私たちに静かに訴えかけています。

ふたたびフェリーで本部港へ
伊江島での観光を予定通りに終え、19日午後の便で本部港へ。
「伊江島タッチュー」を背にフェリーに揺られていると、ハイビスカスの花影や映画のロケ地で出会った物語が、鮮明に思い出されます。効率良く目的地を巡ることができた満足感と、去りがたい名残惜しさ。その両方を抱えながら島を後にした、実り多き一日となりました。



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