PGA下部ツアー「コーンフェリーツアー」は、米本土の気候が良い6月がたけなわ。3大会のうち、最後の大会はイリノイ州での「メモリアルヘルス選手権」。
石川遼の挑戦を、コース紹介などとともに速報をまじえてお届けします。
大会の概要
大会の名称; メモリアルヘルス選手権 Presented by LRS
日程; 2026年 6月25日(木)~6月28日(日)
開催コース; イリノイ州 パンサークリークCC
主催スポンサーについて
米国の下部ツアー、コーンフェリーツアーの「メモリアルヘルス選手権」でプレゼンティングスポンサーを務める「LRS」とは、Levi, Ray & Shoup(リーバイ・レイ&シャープ)社のことです。
同大会の開催地であるイリノイ州スプリングフィールドに本拠を置く、1979年設立のグローバルなIT企業(非上場)です。主に企業向けの出力管理(プリント管理)ソフトウェア開発や、ITコンサルティング、ウェブソリューションなどのサービスを展開しています。フォーチュン500に名を連ねる大企業の多くが同社のシステムを採用しており、地元を代表する主要企業として、古くからこの大会を支援し続けています。
開催コースについて
メモリアルヘルス選手権の舞台となる「パンサークリーク・カントリークラブ(Panther Creek CC)」は、プロの視点から見ると「見た目の開放感とは裏腹に、精密なディスタンスコントロールと厳しいリスク・リワード(報酬と代償)を要求される戦略的チャンピオンコース」と言えます。
設計の特徴と、プロがここを攻める際のキーポイントをいくつか解説します。
1. 「名手」ヘイル・アーウィンによる設計
このコースは、全米オープン3勝を誇り、シニアツアー(現チャンピオンズツアー)でも圧倒的な強さを誇ったヘイル・アーウィンの設計により1992年に開場しました(2021年にPGAツアー・デザインサービスによって一部改修)。 アーウィンは現役時代、非常に高い精度とタフな精神力で知られた選手でした。その彼の哲学が反映され、コースはただ距離が長い(ゴールドティから7,244ヤード、パー72)だけでなく、ショットの正確性が厳しく問われるレイアウトになっています。
2. 広々としたフェアウェイに隠された罠
一見するとアメリカ中西部らしいフラットで広大なフェアウェイが広がっており、ティショットではプレッシャーを感じにくいレイアウトに見えます。しかし、プロの目線では「どこに落とすか」で次打の難易度が激変する構造になっています。 ピンポジションに対してベストなアングル(角度)を確保するためには、フェアウェイの特定のサイド、あるいはハザード(池やバンカー)の近くを狙っていかなければなりません。ターゲットを外すと、大きなグリーンであってもタフなパットやアプローチが残る仕組みです。
3. 大きなグリーンと「落としどころ」の制限
ベントグラスのグリーンは非常に大きく、一見パーオンは容易そうに思えます。しかし、アーウィン設計の特徴としてグリーンには巧みなアンジュレーション(起伏)があり、いくつかのセクションに分断されています。 コーンフェリーツアーを戦うプロたちは、ただグリーンに乗せるだけでなく、「ピンと同じ面(セクション)の、さらに半径数メートル以内」に落とす技術(ディスタンスコントロール)が求められます。これを外すと、簡単に3パットを叩くことになります。
4. 息をのむ「リスク・リワード」の終盤ホール
特にインコース(バックナイン)には、スコアが大きく動くエキサイティングなホールが配置されています。
- 15番(パー5・576ヤード): クラシックなリスク・リワードホール。2オンを狙うには正確なロングショットが必要ですが、罠に捕まれば一気にボギーやダボに転落します。
- 18番(パー4・446ヤード): 池が絡むタフなフィニッシングホール。プレッシャーのかかる場面で、フェアウェイキープと正確なミドル・アイアンの精度が試される見事な締めくくりです。
過去にはLPGAツアーの「ステートファーム・クラシック(2007〜2011年)」も開催されており、女子のトッププロたちもその戦略性に挑んできました。
爆発的なスコアを出すためには、果敢にハザードの攻め際を狙う「アグレッシブさ」が必要ですが、一歩間違えれば大怪我をする。現代のパワーゴルフにも十分に耐えうる、まさに「ショットメーカーのためのコース」と言えます。


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