今回は舞台をテキサス州に移して、コーンフェリーツアー「オクネット・クラシック」が6月11日からスタートします。
PGA昇格に向けての熱き闘いの記録を、石川遼ファンに皆さまにお届けします。
大会の概要
大会の名称; オクネット・クラシック presented by Amarillo National Bank 2026
日程; 2026年 6月11日(木)~6月14日(日)
開催コース; テキサス州 タスコサ・ゴルフ俱楽部 ラ・パロマコース
開催コースについて
テキサス州アマリロに位置するタスコサゴルフクラブ(Tascosa Golf Club)の「ラ・パロマ(La Paloma)コース」について、コースの設計思想、レイアウトの特徴、そして競技者の視点(プロの目)から求められる戦術面を交えて概要を解説します。
タスコサゴルフクラブは、伝統的なパークランド(林間)スタイルの「タスコサコース(1954年開場)」と、1985年にロバート・フォン・ヘギー(Robert von Hagge)らの設計によって誕生した「ラ・パロマコース」の計36ホールを擁する高水準なプライベートクラブです。
プロの視点から見たラ・パロマコースの本質は、「テキサスの風と、魔術師フォン・ヘギーが仕掛けたマウンディング(起伏)との空中・地上戦」にあります。
1. 基本スペックとコースのキャラクター
- 全長: 6,805ヤード(バックティー)
- パー: 71
- コースレーティング / スロープレーティング: 73.5 / 130(または74.7 / 137 ※セッティングによる)
- スタイル: モダン・リンクス(Modern Links Style)
- 芝種: グリーン:ベントグラス(Bent Grass) / フェアウェイ:ブルーグラス(または一部バミューダ・寒冷地用混在)
距離自体は現代のトーナメントコースとしては決して長くはありませんが、レーティングの高さが示す通り、極めてタフで戦略性の高い「スコアを崩しやすい」セッティングです。
2. プロの目から見た設計の特徴と難所
① ロバート・ボン・ヘギー特有の「彫刻的なマウンディングと深いスウェイル」
日本でも宇部CCや有馬ロイヤルGCなどで知られるボン・ヘギーの代名詞、激しいアンジュレーション(うねり)がフェアウェイからグリーン周りまで徹底されています。 ターゲットを絞らせない視覚的なプレッシャー(幾何学的なマウンドや巨大なバンカー)が多く、フェアウェイを外すと、深いスウェイル(窪地)やマウンドからの極端な傾斜地(つま先上がり・左足下がりなど)からのショットを強いられます。プロであっても「平らなライから打たせてもらえない」緊張感が18ホール続きます。
② テキサスの「風」の計算
テキサス・パンハンドル(平原地帯)特有の強く重い風がダイレクトに吹き抜けます。コース自体がモダン・リンクス仕様で遮る木々が少ないため、風の読み(ノックダウンショットや低弾道のコントロール)が必須です。風と起伏が組み合わさることで、実際のヤード表示以上の距離感の狂いが生じます。
③ アウトとインで一変する「攻防のマネジメント」
- フロントナイン(アウト):テラス状のフェアウェイとハザードとの戦い スタートの1番ホール(431ヤード・パー4)から、打ち下ろしの「ローラーコースター」のような多層テラス状のフェアウェイ、巨大なバンカー、そしてグリーンの手前150ヤード付近を横切る深い谷(ravine)がプレイヤーを迎えます。視覚的な罠が多く、1打目の落とし所を点(スポット)で攻める「リスク・アンド・リワード(危険と報酬)」の決断を迫られます。
- バックナイン(イン):タイトな空間でのターゲット・ゴルフ 後半に入ると、ラ・パロマ・エステートの美しい高級住宅地がコースに隣接し、アウトに比べてフェアウェイやOBゾーンが非常にタイトになります。風の中でいかに球線をコントロールし、ハザードと住宅を避けてルートを見出すかという「忍耐と精度」のゴルフが要求されます。
④ 高速なベントグラス・グリーン
グリーンはやや小さめで、複雑な傾斜や2段・ドッグボーン形状(犬の骨のような中央がくびれた形)など、一筋縄ではいかない形状をしています。メンテナンス状態が良く、スティンプメーターで10〜11フィート以上の高速ツアーコンディションに仕上げられていることが多いため、ピンと同じ面(ポテトチップの同じ段)にキャリーさせないと、簡単に3パット、あるいはグリーン外まで転がり落ちる難しさを持っています。
【プロ目線の総括】
タスコサGCのラ・パロマコースは、「力でねじ伏せるコースではなく、コース設計者との知恵比べを愉しむ、極めてアメリカン・モダンなリンクス」です。
風を読み切り、ボン・ヘギーが配置したマウンドの傾斜を味方につける(あるいは避ける)戦略眼、そして高速グリーンに対して常にデッド(ピンの根元)ではなく「外してはいけないエリア」へと確実に運ぶ鉄のアイアン精度が求められる、挑戦しがいのある名コースと言えます。


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